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G・K・チェスタトン「三つの兇器」: The Three Tools of Death (1911) - G. K. Chesterton

 今日紹介するのはG. K. Chesterton(G・K・チェスタトン)原作のFather Brown(ブラウン神父)シリーズ第一作の短編集The Innocence of Father Brown(邦題「ブラウン神父の童心」)所収のThe Three Tools of Death(邦題「三つの兇器」)。

 チェスタトンの著作の多くは著作権が切れているのかネット上で無料で読める。この短編集はいろんなファイル形式で、例えばコチラで入手可。「三つの兇器」単独でウェブ上で読むなら例えばコチラで。


 邦訳は、例えば創元推理文庫の「ブラウン神父の童心」(中村保男 訳)として入手可能。


ブラウン神父の童心


 以下、多少ネタバレしている可能性あり。

 短編集The Innocence of Father Brown(邦題「ブラウン神父の童心」)の最後を飾るに相応しい中々に興味深い作品。

 表面上は明るい人も、その内面は分からず、またその周囲にも必ずしも良い影響を与えているとは限らないというお話。

 < "People like frequent laughter," answered Father Brown, "but I don't think they like a permanent smile. Cheerfulness without humour is a very trying thing." >

 つい先日も武田鉄矢が約20年にも渡って鬱の状態で苦しんでいたとかいうニュースがあったが、人は見かけによらないもんですな。全然そんなイメージじゃなかったが、それが却って本人の苦しみを増長させていたのかも。

 鬱は誰でもなり得るし、その程度や症状は人によって違い、その苦しみはなった人にしか分からないということで相当に厄介なもの。今現在苦しんでいる人も、なりそうになっている人も、今は余裕の人も、ならないように或いは症状を重くしないように気をつけたいものである。

 そしてオチとしてはそれが昂じて「死に至る病」で死に至ってしまったということか。

 本作品で登場するInspector Gilder以下警察側の面子があまりに無能というか素人くさくノンビリした感じで最低限のルーチンワークしかしないので、ブラウン神父がやりたい放題に大活躍。古典的なヒーローもののミステリ作品にこういった人達は欠かせませんな。こんなのが実際にいたら困るが、少数なら実際にもいそう。私もこのレベルで良かったら今からでも喜んで警察官を目指すんだが。

 < "It is a cruel religion," said the priest, looking out of the window. "Why couldn't they let him weep a little, like his fathers before him? His plans stiffened, his views grew cold; behind that merry mask was the empty mind of the atheist... " >

 やはりカトリックでは自殺は罪なんだろうか。ブラウン神父の考え方がどれだけ作者のG・K・チェスタトンのそれを体現したものかは分からないが、中々に興味深い。最後の娘へ知らせるというブラウン神父の判断には賛否が分かれるところだろう。私なら黙っていることを選択するだろうか。

 < "No, I don't think it would," remarked Father Brown, as he picked up his hat. "I rather think I should tell her. Even the most murderous blunders don't poison life like sins;... " >


 古典作品が好きなミステリ・ファンであれば基本的にお薦めできる作品。ブラウン神父もののレビューは、原作短編の方はこれでひとまず一区切り。



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個人的なメモ・備忘録・独り言

 ノーベル物理学賞だが、やはりどうしても受賞者の3人の中では中村教授に注目が集まりますな。いつの間にか米国籍を取得していたとか。また、他の人も同時受賞すべきだったとかいう話もあったが、こういうのはいつでもよくある話なので、選に漏れた人は不運というしかないんだろう。もちろん受賞するか否かで人によっては人生が変わってしまうような大変な賞なので、本人にとっては「不運」の一言で片づけられたらたまらないだろうけど。
 そしてノーベル化学賞は、今回は日本人受賞者はなしということで一気に報道がトーンダウンしたような感も。分かり易いですな。オリンピックのメダリストのような感じで日本人受賞者が出て嬉しくなる気持ちは分からないでもないが、実際の研究・発見・発明の内容を見たら、これまでの日本人受賞者よりもずっと自分にとって大事な研究・発見・発明を成し遂げて来た外国人受賞者がいっぱいいただろうに、どうしてもう少しその研究の内容を見ようとしないのだろう。素粒子物理学でもなければ、素人でも専門的なところまでは分からなくても表面的なことくらいは努力すれば分かるだろうに。

 ついさっきのニュースで大学の講義中に刃物を出した学生が逮捕されたというニュースがあった。しょ~もね~な~と思いながら先を読んでいたら、どうやら東北大での出来事らしい。確かに大学生時代はいろいろな悩みがあるだろうし、しかも一般社会に出る前に時間だけはあるので悩む人はとことん悩むが、先日の「イスラム国」に加わろうとした北大生といい、何だかベクトルが変な方向に向かってしまう人はいつの時代にもいるもんですな。鬱になるんだったらまだ想像できなくもないが。まぁ、我々の時代にもオウムの事件があったので、こういうのは頭の良し悪しとはまた別のところに問題があるんだろうけど。

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読んだ本、視聴したテレビ番組・ラジオ番組・音楽の感想など。やや英語の作品や洋楽、特にイギリスのコメディやミステリ作品に偏向。

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