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BBC Horizon (2014) Episode 6 Ebola - The Search for a Cure (エボラ - 治療法を求めて)

 珍しくタイムリーな話題に関連した番組の紹介。邦題は仮のタイトルとして勝手に付けてみた。番組の題名にある通り、今回のエボラの流行の現状をリポートしつつ、エボラの治療法研究の最前線を解説した番組。

 番組についての情報はコチラ

 Youtubeでたまたま発見。ネットで見たら、本国イギリスでも9月10日放送ということで、まだ放送されてから一週間も経ってない。ホヤホヤの新作。ただ、最後の方がちょっと切れてるっぽい。

 Youtubeではコチラ

 BBC Horizonのエピソードだけあって、非常に分かりやすく、且つ、エボラの発見から現在までの簡単な歴史、今回の流行の現状、そして治療法・治療薬の研究に関する最前線をバランスよく簡潔にまとめている。ちなみに、残念ながら(?)最近一部のネットニュースで見た日本発の新薬とやらには番組では全く触れておらず、新薬ZMappとそれによる米国人医師・看護師と英国人看護師の回復経過、そしてZMappを中心にその他の新薬・新療法の現状と今後について概観している。

 現在の流行では、現地では患者の約半数が回復するらしい。致死率は高いが、絶望的なものでもないよう。それに現地の映像を見ると、あれではやはり治療も隔離も難しく感染の拡大を防ぐのは困難だろうな、と感じさせるものだった。日本を始め各先進国に万一病気が持ち込まれることがあっても、その際の状況は良くも悪くもアフリカのそれとは随分異なったものになるのだろう。

 患者の多くは12日以内に亡くなるが、その遺体もまた接触によって感染する可能性があるため、遺体の処理に当たる者にも高いリスクが付き物という。

 下は番組内の遺体を消毒処理しているシーンのキャプチャ画像だが、手袋・マスクを始め何重にも保護をしての作業は本当に大変そう。それでいて、作業に当たった者の証言にもあったように、現地の反応が必ずしもいつも好意的でないことも理解できるような気がする。異国の地から突然やって来て必ずしも現地の言葉を話すわけでもなく得体の知れない格好をした者によって病気の家族や知人から半ば強制的に遠ざけられ、仕舞には数日後にその患者が遺体となって袋に入れられて出て来たら、その事実を冷静に受け入れられる者は中々いないだろう。

遺体の消毒


 現地で働く医療スタッフの言葉が重く響く。

 < ... It's a bit like erasing somebody. You put their body and seal it in a body bag, you take away all their possessions, and you burn them, and then you clean away their blood, and their feces. And then the next patients come... >

 番組ではZMappの事例を基に新薬の研究から承認に至るまでの長いプロセスについても紹介。元々(先進国で)需要がなくお金にならないため、エボラ研究にはお金が付かず研究も中々進まなかったが、その後、例の9/11以降にバイオテロへの対策の一環としてお金が付くようになったというのも何とも皮肉な話。
 日本でも最近デング熱で騒がれているが、意外にデング熱やもっと恐ろしいマラリアも、日本を始め先進国がもっとその脅威にさらされればその治療法の研究・普及ももっと進むのかも。こうして考えてみると、どうも複雑な心境になってしまうが。

 下は番組内で紹介されたロンドンにある病院の隔離ベッドの様子。ここに今回エボラに感染・発症した英国人看護師が実際に運び込まれたという。何ともスゴイですな。一旦患者がここに収まると、このビニールハウスのような設備が外界とは完全に遮断され、その中の空気の流れもコントロールされるという。空気感染の可能性が低いエボラでそこまでの設備が必要かは分からないが、これはもちろん必ずしもエボラ患者用に設計されたものではなく、それに万全を期す意味でもこれに勝るものはないのだろう。


隔離ベッド


 そして米国人医師・看護師と英国人看護師への新薬の投与とその後の快復が報告される。恐怖の中で未承認薬の投与を望み、そして見事に快復した人達の生の声。
 しかし、エボラ発症から見事に快復したという素晴らしいニュースにはなっても、実際には一部からある疑問の声が突き付けられていたという。何故現地のアフリカの人々に先立って、米国人(英国人)に新薬が投与されたのか、と。

 < If these medications were given to an African by a team that was of a different culture and a different background, and that would have led to a bad outcome, we'd have been harshly criticised. ... >

 なるほど。これも一理も二理もありますな。果たしてこれがアフリカでも通じる論理かどうかは別として。

 とにかく人の生死が関わるギリギリの状況の中で、異なる文化を持った者たちが直面する問題についていろいろと考えさせられる番組。しかも必ずしも唯一の正解がある問題でもないだけに本当に難しい。

 番組を理解するに当たって必要とされる英語のレベルだが、理系の人やバイオ・メディカル分野の素養・センス・予備知識がある人であれば、恐らく英検準一級、TOEIC700くらいの英語力で内容は充分理解できると思う。逆にそういったセンスがなければ、英検一級、TOEIC900超でも多少厳しいかも。とは言っても、バイオ・メディカル系の話で所謂理系的な要素は比較的少なくて済むはずなので、完全に文系の人でも頑張れば多分大まかな内容は理解できると思う(根拠はなし)。


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テーマ : ドキュメンタリー動画
ジャンル : テレビ・ラジオ

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No title

医療サスペンス映画さながらのドキュメントですね。エボラは致死率100%だと思っていましたが、免疫力が強く感染しても助かる人がいるとは知りませんでした。このような感染地域で働く医療従事者は、紛争地域に赴く平和維持軍より危険度が高いと思いました。これをきっかけに、Robin Cook著のOutbreakを読んでみようかな。。。

Re: No title

人生三年さん

コメントありがとうございます。

本当にこういった地域に自ら進んで行く人達には頭が下がります。
我々と同様に先進国で生まれ育ってどうやったらこういう価値観の
人間になるのか、とても信じられません。が、こういう人達の
存在がなかったら現地は恐らく収拾のつかない状況になるのでしょうね。

とにかく日本でこのようなことが近い将来現実に起こらないことを
心から願うばかりです。
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Author:Idler
読んだ本、視聴したテレビ番組・ラジオ番組・音楽の感想など。やや英語の作品や洋楽、特にイギリスのコメディやミステリ作品に偏向。

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