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追悼Stephen Lewis: That Certain Smile (1988) - Last of the Summer Wine Season 10 Episode 4

 いよいよ追悼ブログの様相を呈して来たが、まぁ、いいか。

 今日の記事はStephen Lewisの追悼特集。日本でこの人の名前を知ってる人もまずほとんどいないだろうから、詳しい説明は思い切ってざっくりカット。興味のある方はStephen Lewisの訃報を伝える記事がコチラにあるので、そちらをどうぞ。

 On the Busesで名前が売れて、その後も似たような役で親しまれた役者さん、というのが世間一般の評価のようで。個人的にはやはり今日紹介しているLast of the Summer WineでのSmiler役の印象が強い。

 後でも触れるが、展開がワンパターンになりがちなこともあって好き嫌いは分かれるだろうが、このLast of the Summer Wineというシリーズ作品は世界的にも最も長く続いたsitcom(シチュエーション・コメディー)であり、野外での撮影が多かったことも特徴的で、まだ見たことのない方には是非一度は視聴してみることをお薦めしたい。

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 今日最初に紹介するのはLast of the Summer WineでSmilerが初登場するエピソード。とは言っても、実際に初登場する際には、その時点で後に準レギュラーとして出演することが決まっていなかったためだろう、まだSmilerという綽名はついておらずClem Hemingwayとして登場し、レギュラーの三人組も普通に'Clem'と呼んでいる。
 ずっと独身キャラだと記憶していたが、こうして初登場エピソードを見返してみたら、確かに奥さん役が最初はいたっけ。


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Last of the Summer Wine S09-S10
(左からSeymour役のMichael Aldridge、Compo役のBill Owen、Clegg役のPeter Sallis)

 シリーズ10からの一話。当時はClegg役のPeter Sallis、Compo役のBill OwenにMichael AldridgeがSeymour役で出演して三人組を形成していた。

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 (あらすじ)
 相変わらず何もすることもなく暇をもてあましていた三人組は入院中の知り合いClem Hemingwayのお見舞いに行くが、そのあまりの惨めな様に何とか少しでも元気づけようとするが -

 本当にこれだけ。こうして書いてみると、あらすじも何もありませんな。

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Last of the Summer Wine S010 E04 00
(左からSeymour役のMichael Aldridge、Compo役のBill Owen、Clegg役のPeter Sallis)

Seymour: Working bloke? Since when have you been a working bloke?
Compo: Oh, I'll admit to being idle. It's the next best thing to being a teacher.


 相変わらずすることもなく(というより正確にはのんびりダラダラしようと意図的に)のんびりダラダラしながら時を過ごす三人組。何とも羨ましい光景ですな。極楽状態。我々の世代にこれから先こんな世界が待っているとはとても思えんが。

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Last of the Summer Wine S010 E04 02
(左からCompo役のBill Owen、Clegg役のPeter Sallis、Seymour役のMichael Aldridge)

Seymour: Now, let's use a little originality and get him something unexpected.
Compo: If tha spend more than a quid, that would be unexpected.
Seymour: A pound?! We don't want to lose all sense of proportion. It's the thought that counts.
Clegg: And how much is it got to count up to?
Seymour: Well, I was thinking more in the terms of, erm, 50 pence.
Compo: Oh, that would cheer him up!! 50 p?!
Seymour: Well, there's no point in being silly. I mean, supposing he doesn't get better. I mean, it's not much use buying him something that's going to last, is it?

 お見舞いの品でコスパの話をされても・・・。

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Last of the Summer Wine S010 E04 01
(左からClem Hemingway(Smiler)役のStephen Lewis、Compo役のBill Owen、Seymour役のMichael Aldridge、Clegg役のPeter Sallis)

Compo: He's a misery-guts.
Clem (Smiler): I do what I can, but me heart's not in it.
Clegg: Well, don't fight it, Clem. I mean, maybe dying will suit your personality.
Clem (Smiler): ....


 オイオイ、全然お見舞い・励ましになっておらんぞ。

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Last of the Summer Wine S010 E04 03
(Clem Hemingway(Smiler)役のStephen Lewis)


 この顔芸(?)というのか表情のつくりだけで、というのは言い過ぎかもしれないが、後日見事に準レギュラー役を確保。ホントに何が幸いするか分かりませんな。

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 このエピソードはまだYoutubeで視聴可。作品名、エピソード名をタイプすれば出て来るはず。ただ、最近リンクを張ったり動画を埋め込んでも少し経つと動画が削除されていることも多いので、ここでは省略。


出演:
Michael Aldridge (Seymour)
Bill Owen (Compo)
Peter Sallis (Clegg)
Thora Hird (Edie)
Jane Freeman (Ivy)
Kathy Staff (Nora Batty)
Stephen Lewis (Smiler)
Jean Fergusson (Marina)
Robert Fyfe (Howard)
Mike Grady (Barry)
Juliette Kaplan (Pearl)
Sarah Thomas (Glenda)
Gordon Wharmby (Wesley)
Linda Bardell (Gift Shop Assistant)
Jeffrey Longmore (Groundskeeper)
Anne Rye (Mrs. Hemingway)
Joyce Windsor (Nurse)


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 次に紹介するのはLast of the Summer WineでSmilerが晴れて正式にSmilerとして初登場するエピソード(Last of the Summer Wine Season 12 Episode 10 A Landlady for Smiler)。ここから段々と準レギュラーへ。


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Last of the Summer Wine S13-14
(左からCompo Simmonite役のBill Owen、Foggy Dewhurst役のBrian Wilde、Norman Clegg役のPeter Sallis)


 これは1990年に放送されたシリーズ12からの一話で、既にSeymourは去り、Foggyが復活を果たしている。

 なんでもSeymour役のMichael Aldridgeは、当時奥さんの体調が悪く、看病に専念するために役を降りたらしい。残念ながら彼自身もその数年後に亡くなってしまった。

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 (あらすじ)
 可愛がっていた飼い犬が死んだことをきっかけに奥さんにも去られて新たな住まいを探すことになったSmiler。その手助けをしようと一肌脱ごうとする三人組だったが -

 相変わらずこれといった筋もなし。

 全く何の説明もなく、登場時からいきなり呼び名は'Smiler'。ただ、奥さんと飼い犬がいたという設定で、前回'Clem'として登場した一話を憶えている視聴者にも抵抗なく受け入れられたんだろう。

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Last of the Summer Wine S12 E10 00
(左からSmiler役のStephen Lewis、Compo役のBill Owen、Clegg役のPeter Sallis、Foggy役のBrian Wilde。後ろにIvy役のJane Freemanの姿も)


Smiler: Been married 33 years. Been going through a bad patch.
Compo: For how long?
Smiler: About 32 years. It got worse when the little dog died. Because when the little dog died, we both realised we'd nobody to talk to.


Last of the Summer Wine S12 E10 01
(Smiler役のStephen Lewis)

Smiler: Off she went,.... to AUSTRALIA!!


 再登場でいきなりのっけからこのインパクト。


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Last of the Summer Wine S12 E10 04
(左からCompo Simmonite役のBill Owen、Foggy Dewhurst役のBrian Wilde、Norman Clegg役のPeter Sallis)

Clegg: Our life is simpler without the opposite sex. I was glad when my hormone settled down and I lost that excessive interest in the opposite sex. I was quite relieved when I woke up one morning and decided that I was middle aged.
Compo: How long ago was that?
Clegg: Well,... I think I was 23 at the time.


 ちょっとゲイに間違えられることもある万年中年Cleggの人畜無害キャラぶりも健在。

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Last of the Summer Wine S12 E10 05
(前列左からHoward役のRobert Fyfe、Compo役のBill Owen、Clegg役のPeter Sallis、後列左からFoggy役のBrian Wilde、Smiler役のStephen Lewis)

Robert: It was terrible. I never want to do that again. Suppose she (= Marina) never speaks to me again.
Clegg: Well, you've still got Pearl.
Robert: That's a nasty thing to say!

 Howardのキャラも相変わらず。

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 このエピソードもまだYoutubeで視聴可だが、ここでは省略。


出演:
Bill Owen (Compo Simmonite)
Peter Sallis (Norman Clegg)
Brian Wilde (Foggy Dewhurst)
Kathy Staff (Nora Batty)
Jane Freeman (Ivy)
Stephen Lewis (Smiler)
Jean Fergusson (Marina)
Juliette Kaplan (Pearl)
Robert Fyfe (Howard)
Chris Breeze (Customer)


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 このLast of the Summer Wineという作品を紹介するたびに例に出すが、どうしてもこのシリーズ作品は日本で長寿番組だった時代劇「水戸黄門」を想い起こさせる。主人公・レギュラー出演者が(比較的)高齢で、長寿番組だっただけに初期の出演者の多くが既に亡くなってしまったこともその一因だろう。Last of the Summer Wineの出演者で初期から出ていてまだ存命なのはNorman Clegg役のPeter SallisとIvy役のJane Freemanくらい。これで今回Smiler役のStephen Lewisも既に亡くなった出演者のリストに加わってしまった。すっかり寂しくなってしまったものである。

 「水戸黄門」とLast of the Summer Wineの更なる大きな共通点として、キャラのワンパターンなまでの言動パターンに加えて、展開までもワンパターンであることが挙げられる。水戸黄門で、弥七が登場する際に先ず赤い風車が飛んで来て、続いて(実際には代理のスタントマンだろうが)弥七の前宙シーン、そして漸く弥七役の中谷一郎登場となったように、また、お銀役の由美かおるがお風呂に入ると決まって悪役のお奉行様やらお代官様が覗きに来るパターン、更には後半のある時間帯になって来ると、いきなり印籠は出さずにご老公の「助さん、格さん、懲らしめてやりなさい」とかいう台詞を皮切りにチャンバラシーンが展開され、ご老公の「助さん、格さん、もういいでしょう」とかいう台詞を合図に例の「この紋所が目に入らぬか」という決めゼリフと共に越後の縮緬問屋のご隠居の正体が明かされるように、Last of the Summer WineではCompoとNora Battyのペア、HowardとPearlとMarinaの三角関係等、様々な「ワンパターンの展開」があった。これがLast of the Summer Wineの最大の魅力でもあり欠点でもある。Stephen Lewis演じるSmilerが登場すると、キャラ名とは裏腹に必ず彼が顔をしかめるシーンがワンパターンのようにアップになったものである。

 キャラやビジュアルから言ったらさすがに弥七(中谷一郎)という訳にはいかないが、川合伸旺だって良い、自分が以前よく見ていた番組のレギュラー出演者の訃報を聞くと、ついつい月日の経過に思いを馳せてしまう。

 日本では先ず殆ど知られていない、しかもワンパターンの役柄ばかりが印象的だった俳優さんだが、個人的にはかなり強烈に記憶に残っており、もうあの表情が見られないと思うとやはり何とも寂しい思いに駆られる。


Last of the Summer Wine S12 E10 06
(Smiler役のStephen Lewis)


 最後にStephen Lewisのご冥福をお祈りしてこの記事を終えたい。



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Dangerous Davies (2003) - The Last Detective S01 E01, based on the novel by Leslie Thomas, starring Peter Davison

 今日紹介するのは、先日(と言ってもまた前回の更新から大分時間が経ってしまったが)紹介したLeslie Thomas(レスリー・トーマス)原作のDangerous Davies: The Last Detective (1976)のテレビドラマ化作品。

 原作シリーズでは第一作のドラマ化作品に当たるが、元々シリーズ化を意図して制作されたドラマなのだろう、パイロット作品として映像化されている。

 下に添付したのはDVDのカバー表紙。私が持っていたバージョンではないので、アマゾンから借用。先日紹介したBernard Cribbins主演のテレビ映画でのBernard CribbinsとBill Maynardのコンビよりはビジュアルの面で原作のDangerousとModのイメージに近いか。


The Last Detective DVD
(左からMod役のSean HughesとDangerous Davies役のPeter Davison)


 先日も書いたが、主演のPeter Davisonはかなりの売れっ子俳優さんで出演作も多いが、イギリスのミステリドラマ作品のファンには、Margery Allingham(マージェリー・アリンガム)原作のAlbert Campion(アルバート・キャンピオン)もののシリーズ映像化作品CampionでのAlbert Campion役が一番馴染み深いか。他にはGladys Mitchell(グラディス・ミッチェル)原作のMrs. Bradley(ブラッドリー夫人)もののシリーズ映像化作品The Mrs Bradley MysteriesでのInspector Christmas役、それにJoan Hickson主演のAgatha Christie's Miss MarpleのA Pocket Full of RyeでのLance Fortescue役、Geraldine McEwan主演のAgatha Christie's MarpleのAt Bertram's HotelでのHubert Curtain役といったミス・マープルものでもチョコチョコ出演している。本国イギリスでは主な出演作品としてDoctor WhoやAll Creatures Great and Smallといった作品が先ず挙げられるようだが、日本ではかなりマイナーか。

 相棒のMod役のSean Hughesは元々基本的にコメディアン(stand-up comedian)。


 先日の紹介時にも貼ったが、一応さわりだけどんな感じなのかYoutubeにある動画を。ただ、こちらは今日紹介しているパイロット作品ではなく、続きの本編作品の紹介動画。





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 以下、多少ネタバレがあるかもしれないが、そんな心配をする必要があるほどメジャーな作品でもないか。


 原作との主な相違点は下記の通り。

 ・時代設定
 原作では1970年代半ばの時代設定において四半世紀前の1950年前後に起きたCelia Norrisの失踪事件を取り扱っていたが、ドラマのシリーズ化を見越して視聴者に馴染みやすくしたのだろう、時代設定は現代(制作・放送時期)の2003年前後、Celiaの失踪はその約20年前の1982年となっている。
 当然Daviesだけでなく、同僚や上司のキャラから服装まで随分現代っぽい。この辺は原作を読んでからこのドラマを見る人もいないだろうから全く問題なし。

 ・妻との関係
 原作ではすっかり冷え切っているものの未だに婚姻関係にあり、別々の部屋を借りながらも同じマンション(アパート?)に住んで食事は一緒にとったりしているので、一応安定した「同居生活」は送っている。また、後半にはまだお互いに思いやる気持ちが残っているような場面描写もあり。そして何といっても妻も地味で全く魅力のない女性として描写されており、プライベートの面からもDaviesの負け犬キャラを印象付けるのに一役買っている。
 が、これもその後のシリーズ化を見越しての改変であろう、このドラマではお互い相手に対する気持ちを残しながらも現在別居して離婚調停中という設定であり、よりを戻すのか、結局別れてしまうのか、そのまま中途半端な状態がしばらく続くのかがシリーズを通しての展開の一つの軸となって行く。そのために妻役がそれなりに魅力的な女性の設定になっているので、現在多少プライベートで寂しくunhappyな様子は描かれるものの結果的にDaviesが全然負け犬キャラになっていない。

 ・犯人
 これもその後のシリーズ化を見越しての改変であろう、犯人役が原作とは異なる。

 ・"Dangerous" (デンジャラス) Daviesの呼称と"The Last Detective"の由来
 先日紹介したように、原作では、何故Daviesが"Dangerous" (デンジャラス)なのか、"The Last Detective"と呼ばれるのかが冒頭に数行で簡潔に示される。

 < This is the story of a man who became deeply concerned with the unsolved murder of a young girl, committed twenty-five years before.
  He was a drunk, lost, laughed at and frequently baffled; poor attributes for a detective. But he was patient too, and dogged. He was called Dangerous Davies (because he was said to be harmless) and was known in the London police as 'The Last Detective' since he was never dispatched on any assignment unless it was very risky or there was no one else to send. >

 が、ここではDaviesが上司や同僚に馬鹿にされ雑用ばかり押し付けられる様は描かれていても、何故Daviesが"Dangerous" (デンジャラス)なのかは示されないまま同僚やModだけでなくDaviesの妻までもが"何故かDangerous" (デンジャラス)の呼称を使う。上司からは当然ラスト・ネームで"Davies"と呼ばれるため、結果的に、Daviesのファースト・ネームが分からない、所謂モース警部状態となってしまっている。
 また、番組タイトルになっている"The Last Detective"の呼称についても番組の最後に漸く登場し、そのニュアンスも原作のそれとは若干異なる。


 個人的にはDaviesが原作にあるほどの負け犬キャラになっていないのは残念であったが、ドラマの展開もあるし、Peter Davison演じるDaviesが中々魅力的だったこともあって、それなりに納得。

 個人的により残念だったのは、Modのキャラの方。Sean Hughes演じるModは間違いなく魅力的であるが、原作のModの一番の良さであるニート哲学者で積極的に無職でいようとするキャラが、ここでは就職・求職活動にそれなりに積極的に見えたのが結構引っかかった。しかもDaviesよりも常識人ぽく法律を遵守する様子も。これでは何のための哲学者キャラなんだが個人的にはよく分からん。

 < Thin Minnie Banks, the schoolteacher, attempted to correct some abysmal exercise books for the day's lessons, while drinking her weak tea. Mod, undoing the Guardian, sat down to his toast, glanced over her shoulder and remarked: 'Training the future unemployed, I see.'
  'You can talk!' Her voice was as piping as her frame. 'Since when, Mr Lewis, have you done a day's work?'
  Mod sniffed like a managing director and spread his paper. 'It takes a great deal of skill and technique to remain unemployed,' he observed. 'I doubt if your pupils would ever reach the required standard.' >

 やっぱりModのキャラはこうでなくちゃ。まぁ、日本人女子学生に英語を教えている場面は中々良かったが。確かに90~2000年代のイギリスへ語学留学していた学生の雰囲気はこんな感じだったかも。


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The Last Detective Pilot 00
(左からJulie Davies役のEmma AmosとDangerous Davies役のPeter Davison)

 犬がデカいのは原作通りだが、原作よりまともでDaviesに懐いている感じ。もう少し原作通りバカっぽく汚らしくても良かったかも。原作通りKittyと呼ばれてたかどうかは憶えていない。

 このドラマシリーズではDaviesと妻との繋がりを保つという重要な役割も。

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The Last Detective Pilot 01
(左からDangerous Davies役のPeter DavisonとYardley役のDavid Troughton)

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The Last Detective Pilot 02
(左からJosie役のJoanne FroggattとDangerous Davies役のPeter Davison)

 映画版と違い、Josieと(回想シーン中の)Celiaは同じ女優で一人二役。この点はこちらのドラマの方が良かった。

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The Last Detective Pilot 03
(左からMod役のSean HughesとDangerous Davies役のPeter Davison)

 このドラマではやたらバイトやら就職に熱心なModだったが、原作通りDaviesと飲んではアホなことをやってくれるのがやはり一番かと。


The Last Detective Pilot 04
(左からMod役のSean Hughes、Dangerous Davies役のPeter Davisonと馬)

 よくこの短い尺の中で原作にあるこのシーンを再現してくれたもの。決してAll Creatures Great and Smallの一シーンではない。


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 Daviesの上司・同僚たち。

The Last Detective Pilot 05
(左からDI Aspinall役のRob SpendloveとDangerous Davies役のPeter Davison)


The Last Detective Pilot 06
(左からDC Barrett役のBilly GeraghtyとDS Pimlott役のCharles De'Ath)


 この辺は原作とは随分違うが、それも仕方ないか。

 個人的な好き嫌いはさておき、実際の職場にもこんな上司や同僚はいくらでもいそう。


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The Last Detective Pilot 07
(左からMod役のSean HughesとDangerous Davies役のPeter Davison、それにもう一匹)

 そして何とも微笑ましいラスト・シーン。

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 モースものやフロストものにあるダークさやハラハラ・ドキドキといった展開、それにホームズものやポワロもののにある冴え渡る推理というのは殆どない。また、原作にあるDaviesのダメ刑事ぶり、Modのニート哲学者ぶりの原作に忠実な映像化といった点ではこのドラマ化作品に多少不満がないでもないし、原作や映画化作品にあったコミカルな部分も随分弱くなってしまっているという印象もあるが、全体的には中々に楽しめる及第点の作品。もちろん原作を読んでいる必要は全くなく、取り敢えず海外ドラマ好きの方全般にはそこそこにお薦めできる作品。


出演:
Peter Davison (Dangerous Davies)
Sean Hughes (Mod)
Rob Spendlove (DI Aspinall)
Emma Amos (Julie Davies)
David Troughton (Yardley)
Charles De'Ath (DS Pimlott)
Billy Geraghty (DC Barrett)
Joanne Froggatt (Josie / Celia)
Ingrid Lacey (Roxanne)
Rupert Farley (Burridge)
Ian Targett (Lind)
Andy Greenhalgh (Andrew Parsons)
Desmond McNamara (Block)
Kenneth McDonald (Stephen Pierce)
Peter Czajkowski (Christian)
Mohammad George (Warren)
Natalie Dakin (Young Roxanne)
Jalaal Hartley (Young Burridge)
Jason Heppenstall (Young Lind)
Leon Black (Warren's Mate)
Mike Smith (Jimmy Ramscar)
Rachel Davies (Mrs Norris)
Leslie Schofield (Mr Norris)



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Dangerous Davies: The Last Detective (1981) based on the novel by Leslie Thomas, starring Bernard Cribbins

 今日紹介するのは、先日紹介したLeslie Thomas(レスリー・トーマス)原作のDangerous Davies: The Last Detective (1976)のテレビ映画化作品。

 下に添付したのはDVDのカバー表紙。私は持っていないので、ネット上で見つけた他所から借用。


Dangerous Davies
(Dangerous Davies役のBernard Cribbins)


 基本的には原作にかなり忠実な作品。原作者のLeslie Thomasも脚本担当として名を連ねていることも手伝ってか、原作の雰囲気・流れをあまり損なうことなく映像化されている。あれだけの原作の内容を2時間弱の尺内に収めてあるので、どうしても原作にあるのんびり、ゆったり、ほのぼのといった雰囲気は相当に弱くなってしまっているが、それは前もって原作を読んでいなければ全く気にならないだろう。もしかしたら現代の展開の速いドラマに慣れ親しんだ方にはこれくらいでもむしろスローに感じられるのかも。基本的に原作を読んでいない方であれば比較的テンポの良い古き良き時代のユーモアミステリ作品として楽しめると思う。

 とにかくDangerous Davies役を演じた名優Bernard Cribbinsの好演が光る作品。正直、原作を読んでからこの映像化作品を見ると、Dangerous役のBernard Cribbins(とMod Lewis役のBill Maynard)が原作中のキャラの描写と比較すると見た目の点でかなり老けているという印象を受けたのだが、それを補って余りあるBernard Cribbinsの演技ぶりが素晴らしい。他の出演陣もいずれも及第点かそれ以上の好演を見せている。Kitty役の犬もこれがまた素晴らしい演技(?)で笑わせてくれた。

 上記以外での原作との相違点としては、この映像化作品の制作・放映時期との兼ね合いからだろうか、原作では25年前となっていたCelia Norrisの失踪時期が15年前となっていること、それに原作で登場したMr Harold SmeetonやMrs Whethersといったキャラの存在がカットされていることくらいで、原作を読んでいても全然気にならず。もちろんMr Harold Smeetonはちょっと見てみたかった気もするが。また、原作にはなくこの映像化において追加された場面も特になし。


 いつまで視聴できるかは分からないが、この作品はYoutubeでもまだ視聴することができる。一応以下に埋め込み。



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 Chief Insp. Yardbird役を演じたのは怪優Joss Ackland。さすがの貫録である。ただ、こうしてDangerous役のBernard Cribbinsと並んで立つと両者はほぼ同年代に見える(そして実際にほぼ同年代である)だけに、やはりどうしてもDangerousが、原作通りのやる気はあるが無能で不器用なために出世コースからはずれてしまっている30歳過ぎの巡査というよりは、既に窓際族と化して久しい50歳過ぎのくたびれたベテランといった感じになってしまうのがちょっと残念なところ。


Dangerous Davies 01
(左からChief Insp. Yardbird役のJoss AcklandとDangerous Davies役のBernard Cribbins)

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 姉妹の父Mr. Norris役にはKen Jones。残念ながら彼も昨年亡くなってしまった。今からでも追悼で何か書こうかどうしようか。私にとってKen JonesはどうしてもPorridgeでのIves役の印象が強いので、巨悪ではなくコソ泥的なこういった小物のワル役にはドンピシャの感があって思わず笑ってしまった。日本では主役級と大物ばっかりで、こういう小物をちゃんと演じられる俳優がいなくて困る。彼の訃報は本当に残念。


Dangerous Davies 02
(左からDangerous Davies役のBernard CribbinsとMr. Norris役のKen Jones)

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 そしてEna Lind役にはMaureen Lipman。ちょうどThe Knowledgeとほぼ同じ時期だろうか。見た目は充分行けていたが、とにかくお水っぽい雰囲気でピッタリの配役だった。

Dangerous Davies: And that's when it happened?
Ena Lind: (with a nod) On the trampoline.
Dangerous Davies: Trampoline?
Ena Lind: And half kick up of dust.
Dangerous Davies: I can imagine.
Ena Lind: And that was that. The first time. When after that, it, sort of, on and off. You know, not regular. Just, sort of, on and off.


Dangerous Davies 03
(左からDangerous Davies役のBernard CribbinsとEna Lind役のMaureen Lipman)

Ena Lind: Did you find that interesting?
Dangerous Davies: Most informative. And there were others?
Ena Lind: Oh, lots! Celia and me saw him having it off with Roxanne Potts, one night.
Dangerous Davies: On the trampoline?
Ena Lind: No. Across the club vaulting horse.
Dangerous Davies: He used all the equipment then?
Ena Lind: Oh, he was a trained gymnast.

 この辺のセリフも原作にほぼ忠実。

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 原作を前もって読んでいても読んでいなくても楽しめるコミカル・ミステリ作品。映像化作品でもフロストものほどのスピード感、ダークさといったものは感じられず、良い意味で(原作ほどではないが)70~80年代に制作された映像化作品特有の何とも言えないのどかな雰囲気の漂う作品。

 ポワロもののような古典的なフーダニット作品から比較的新しめのモースやフロストもののファンまで、そして必ずしもミステリファンでなくても海外ドラマ好きにはお薦めできる作品。


出演:
Bernard Cribbins (Dangerous Davies)
Bill Maynard (Mod Lewis)
Joss Ackland (Chief Insp. Yardbird)
Bernard Lee (Sergeant Ben)
Frank Windsor (Fred Fennell)
John Leyton (Dave Boot)
Maureen Lipman (Ena Lind)
Cindy O'Callaghan (Josie Norris)
Derek Bond (Det. Supt. Carter)
Patsy Rowlands (Madame Tarantella)
Colin Baker (William Lind)
Avril Angers (Mrs. Fulljames)
Ken Jones (Mr. Norris)
Jeremy Sinden (Det. Sgt. Green)
Peter Bland (George Tilth)
Lucy Aston (Celia Norris)
Pam St. Clement (Mrs. Norris)
Eric Francis (Albert)
Sam Dastor (Dr. Longton)
Diana King (Mrs. Fennell)
Betty Romaine (Marie)
David Auker (Tarquin)
Richard Hunter (P.C. Westerman)
Marianne Stone (Venus)
Charles Pemberton (Det. Const. Evans)
John Rogan (Father Harvey)
Pauline Delany (Doris Davies)
Barbar Bhatti (Patel)
Mike Savage (Sergeant)
Pearl Hackney (Landlady)
Norman Chappell (Parsons)
Joe Ritchie (Workman)
Bob Sutherland (Local Inspector)
Lucy Griffiths (Dulcie)
Sydney Bromley (Harkness)
Gordon Rollings (Chrust)
Roy Stewart (Pomeroy)
Andrew Bradford (Squad Driver)
Frank Jarvis (Farm Heavy)


Quote:
Madame Tarantella (the fortune-teller): I liked him, you know, Dangerous. But, I couldn't see a future for us together.
Dangerous Davies: Well, if you couldn't, who could?


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 以下、蛇足。

 実はDangerous Daviesものの映像化作品は今世紀に入ってPeter Davison主演でThe Last Detectiveとしてシリーズ化されている。今回せっかくの機会を利用してついでにそちらもレビューするつもりでいたが、どこを探しても見当たらない。どうやら実家に置いて来てしまったらしい。そんな訳で、そちらはまた機会があれば後日に。

 ちなみにこちらのシリーズはこんな感じ。



 当時Peter Davisonは既にそれなりの年齢だったはずだが、元々童顔なので、Mod役のSean Hughesと共に、Bernard CribbinsとBill Maynardのコンビよりも、私が原作から受けたDangerousとModのイメージに見た目の点ではずっと近いかも。

 Peter Davisonはかなりの売れっ子俳優さんで出演作も多いが、イギリスのミステリドラマ作品のファンには、Margery Allingham(マージェリー・アリンガム)原作のAlbert Campion(アルバート・キャンピオン)もののシリーズ映像化作品CampionでのAlbert Campion役や、Gladys Mitchell(グラディス・ミッチェル)原作のMrs. Bradley(ブラッドリー夫人)もののシリーズ映像化作品The Mrs Bradley MysteriesでのInspector Christmas役でお馴染みかもしれない。

 ちなみにこんな感じ。



 こういった作品をこのブログで紹介できる日が果たして来るんだろうか。



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追悼レスリー・トーマス Dangerous Davies: The Last Detective (1976) - Leslie Thomas

 こんなあまり更新もしないしょ~もないブログでも、たまに覗きに来て「拍手」ボタンを押して行ってくださっている方も相変わらずいるようで、有難いことで。

 今日の記事も意図せず一年ほど寝かせてしまっていたもの。以前にも書いたかもしれないが、とっくに賞味期限の過ぎた追悼記事ほどマヌケなものもないかもしれないが、まぁ、何もないよりはましだろうということで、これ以上は深入りせずに。

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 今日の記事はLeslie Thomas(レスリー・トーマス)の追悼特集。著者の名前は実際には「レズリー」と濁るのかもしれないし、「トーマス」もむしろ「トマス」とした方が近いのかもしれないが、ここでは一般表記に倣った。と言っても、殆ど日本では知られていない著者だろうから、そもそも一般表記も何もないのかもしれないが。実際に亡くなったのは昨年で、忙しさを言い訳に追悼記事のアップを延期してしまっていた。レスリー・トーマスの訃報を伝える記事はコチラ

 一般にはThe Virgin Soldiers(邦題は「童貞部隊」というらしいが、どうやら絶版らしい)とその続編、またはそれらの映画化作品で知られている著者。これらの作品はジャンルとしてはコミック(ユーモア)小説、コミック映画に分類されるようなもので、世界的には大ヒットしたらしいが、それすらも日本ではあまり知られていないようで。

 ちなみにこのコミック小説シリーズの原作は、兵役についたレスリー・トーマス自身の経験を基に書かれたものらしい。そんな若くて血気盛んなイギリス軍の兵士達と現地の売春婦(というと時代や地域によって身分も世間の印象も全然違うので注意が必要だが)を始めとする女性たちとの可笑しくもどこかもの悲しさも漂うドタバタぶりを一つの軸に展開される悲喜劇。と言ってもやはりコメディ要素が強いか。

 最近では各国で女性兵士も増えてきてその姿をテレビ等で見ることもあるので、Virgin Soldiersと聞いて想像力(妄想?)を激しく掻き立てられた人も中にはいるかもしれないが、残念ながらここで出て来るVirgin Soldiersは男ばっかり。女性キャラも出て来るが、現地の水商売の女性か、又はVirginではあってもSoldierではないキャラばかり。改めて言うまでもないかもしれないが、普通英語でVirginというと男女の区別はない。逆に、どうして日本語では男女で言い方が異なるのか、というのは中々に興味深い問題だが、時間をかけて自分でリサーチするほどでもないので以下スルー。

 さて、長くなって来たので、前置きはこれくらいにしてさっさと今日の作品紹介へ。


Dangerous Davies


 今日紹介するのはレスリー・トーマス原作のDangerous Davies: The Last Detective。言うまでもなく(?)邦訳はまだされていないようで。このDangerous Daviesを主人公とした小説はこの後シリーズ化され、合計4作品が執筆・出版されている。今日紹介している作品が第一作。

 ちなみに上に貼り付けた画像は所謂オムニバス本のもので、タイトルにThe Complete Dangerous Daviesとあるが、ちょっと詐欺みたいだが、ここには第一作のDangerous Davies: The Last Detective (1976)、第二作Dangerous in Love (1987)、そして第三作の Dangerous By Moonlight (1993)は所収されているが、第四作Dangerous Davies and the Lonely Heart (1998)は入っていないので、実際にはComplete(「完全版」)ではない。


 主人公のDavies巡査については、この作品の冒頭にある書き出しにて簡潔にまとめられている。

 < This is the story of a man who became deeply concerned with the unsolved murder of a young girl, committed twenty-five years before.
  He was a drunk, lost, laughed at and frequently baffled; poor attributes for a detective. But he was patient too, and dogged. He was called Dangerous Davies (because he was said to be harmless) and was known in the London police as 'The Last Detective' since he was never dispatched on any assignment unless it was very risky or there was no one else to send. >


 一応、上記冒頭部分を適当に訳した上でネタバレしない程度に加筆修正してあらすじを作成してみると、こんな感じ。

 < - 仕事は出来ず酒にもだらしない「デンジャラス」ことデービス巡査。危険な仕事、退屈で時間だけはかかる割にあまりにも得るものが少ない仕事等、誰もやりたがらない役目ばかり押し付けられるため、同僚からは嘲笑の的となりながらもある意味で重宝もされる存在で、重大案件では誰も適任者がおらず他に選択肢がない場合に限り最後に漸く声がかかることから 'The Last Detective' (「最後の刑事」)としても知られている。
   地元出身で凶悪犯罪にまで手を染める札付きの極悪人として名を馳せたRamscarが数年に渡る国外での活動を終えて極秘に帰国・帰郷しているとの情報が寄せられる。Special Branch(公安課)からRamscarの居所を突き止めるべく依頼を受けたMetropolitan Police Forceだったが、公安課としては出来るだけ自らの手を煩わさないように、捜査を慎重且つ極秘に進めるよりは先方に敢えて気づかれるように進めることでRamscarを慌てさせ早めに姿を現すか事に及ぶように仕向けたいという。そこで、怪しまれない程度に手際悪くRamscarの捜索に当たる適任者としてデービスに白羽の矢が立つ。思いもよらない大任に張り切る中、Ramscarに関するそれまでの膨大な資料を読み進めるうちに行き当たった25年前の少女Celia Norrisの失踪事件にすっかり心を奪われてしまうデービスだったが - >


 個人的にはデービスの友人Mod Lewisのキャラが気に入った。

 < Mod was happy to be known as a philosopher. His great talent was loyalty (he had been faithful to the same Labour Exchange for twelve years) and he knew many unusual and useless things, for he had read half the books in the public library. >

 dole money(失業手当、というか生活保護といった方が正確か)をもらいつつ、昼は図書館で本を読んで時間を潰し、夜は友人の「デンジャラス」と飲み明かすという生活を送っている。作中のキャラでフィクションとは言え、何とも羨ましい。私は酒は全然飲まないが、ある意味理想の生活である。現実には中々そう行かないのが悲しいところではあるが。


 作品全体の感想を一言でいうなら、フロスト警部シリーズのコージー版といった感じ。時代設定も実際に書かれた時期もフロストものより前なので、フロストものと比較すると全体的にのんびり、ほのぼのといった雰囲気が漂っている。また、主人公のデービスもフロスト以上に無能で不器用な設定なので数多くのことをこなせないのか、札付きの大物の居場所を探しつつ(比較的のんびりと)25年前の少女失踪事件の究明に専心するといった流れで、自然とモジュラー型ではないノーマルなミステリ作品の形を採っている。

 デービスは、30過ぎの不器用(clumsy)で酒癖の悪い、巡査としては無能(だが決して無気力ではない)な負け犬として描かれるが、所々で不器用だったり頼りなかったり酒で失敗したりといったエピソードは出て来るが、フロスト始めその他のミステリ作品シリーズの主人公と比較しても、実際にはそれほど無能といった印象は受けない。多少酒癖が悪いことも含め、ある意味で日本の平均的なサラリーマンみたいな感じか。母性本能でもくすぐるのか、(寝室は共にしていないが)妻がいながら少し前には愛人がいたり、少女から熟女にまでもてたりと、ある意味で現代の日本の平均的なサラリーマンよりも勝ち組かも。そんな訳で、主人公に悲愴感はまるでなし。その辺の孤独感がないところや時折はさまれる下ネタ系の描写の点でも、フロストものに比べてエッジの利いたダークさといったものは感じられない(又はその程度が弱い)。そのため、あくまでフロストものとの比較ではあるが、良くも悪くもコージー作品の体をなしている。

 逆に、上記に挙げた点を除けば、かなりフロストものとの共通点・類似点を見出すことができ、下品で粗野なセリフや描写も盛り込んだユーモアある筆致もいかにも男性推理作家のそれといった感じ。



 フロスト警部シリーズのファンはもちろんのこと、他のイギリスの男性推理作家によるミステリ作品のファン、コージーものの好きな人にもお薦めできる作品。


 最後に -
 恐らくユーモアのある作品を書くのが難しいのだろう、イギリスでもセンスの良いユーモア作品を書ける作家は決して多くない。そんな作家の一人が亡くなるのはいつでもとても残念なことである。
 レスリー・トーマスのご冥福をお祈りして -



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Crooked King John and Magna Carta (2015) - Horrible Histories Series 6 Episode 1

 先日に引き続いてマグナ・カルタ(大憲章)制定800周年を記念して、今日紹介するのはHorrible Historiesのシリーズ6の第1話でKing John(ジョン王)とMagna Carta(マグナ・カルタ:大憲章)の特別エピソード。この番組シリーズは、分類上は、正確にはコメディ調の子供向け歴史番組とでもなるのだろうか。


Horrible Histories
(シリーズ作品のDVDの画像のみネット上から拝借。今日紹介しているエピソードは恐らくこのDVDには収録されていないこと、そしてこのDVDのカバーに出て来る出演者の多くは交代して最新シリーズには出演していないことに注意)


 楽しいスケッチ・コメディと歌(替え歌)で、特に知られざるエピソードを中心に楽しく歴史の勉強ができる番組。ただ、イギリスのお笑い番組のノリなので、エログロは言うまでもなく、エロネタ、グロネタに加えてゲロネタまであり、ちょっと画としては汚いシーンも所々存在する。正直、これは子供向けの番組として相応しいのか、と一瞬とまどってしまうが、向こうでも歴史をきちんと学び始めるのは恐らく小学校高学年から中学・高校生だろう。それくらいの歳になれば、イギリスの大抵のお笑い番組は何ら規制されることなく視聴しているだろうから、この程度は充分許容範囲なのかも。私はもちろん全く何の問題もなく楽しめるが、それでも影響されやすい人は食事中の視聴は控えた方が良いかも。

 シリーズ5まではいろいろな時代の史実に基づくスケッチ・コメディや歌を次々に流すスタイルだったが、このシリーズ6からは一話ごとに、ある特定の時代・人物・出来事に焦点を当てて制作されているようで、これはジョン王とマグナ・カルタについての一話。

 ここでKing John(ジョン王)を演じているのはstand-up comedyで人気だったコンビArmstrong and Millerの片割れとして有名なコメディアンで役者のBen Miller。恐らく彼についてはいずれ何かの作品で取り上げるだろうから、ここではこの程度で。


 一応スケッチ・コメディを含めこの一話で取り上げられているネタをWikipediaから以下にコピペ。

 King John: The Story So Far
 HHTV News: The Coronation of King John
 King John's X-Treme Survival
 Saladin explains his plan to block the Christians' access to a well during The Crusades
 History's Craziest Fools: Renauld de Chatillon (parody of World's Craziest Fools)
 Historical Restrooms: A businessman uses a Medieval toilet
 Battle of the Day: Genghis Khan (parody of Match of the Day)
 The Real Plantagenet Hustle
 The Barons and King John have a rap battle at Runnymede
 Magna Carta Song (new song, parody of "I'm Gonna Be (500 Miles) by The Proclaimers)
 Chatty Death: King John talks to Death about Magna Carta and Richard the Lionheart (parody of Alan Carr: Chatty Man)


 ちょっと元ネタを知らないと苦しいネタもあるが、知らなくても全体的には充分楽しめる番組。日本にもこんなふうにもう少し軽いノリで歴史を楽しめる番組があったら良いのに。尤も私はもうテレビを碌に見ないので、もしあってもどうせ視聴しない可能性が高いが。


 Youtubeを探してみたが、一話をフルで視聴できる動画は見つからなかった。一応この一話に出て来る歌はあったので、雰囲気だけでも伝わるように以下に埋め込み。スケッチ・コメディを含めもう少し番組の雰囲気を知りたい方は、Horrible Historiesというキーワードで検索していただければ。


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 Runnymede(ラニーミード:マグナ・カルタが締結された場所)でのKing John(ジョン王)側とBaron(貴族)側の論戦をラップ調で。




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 マグナ・カルタのその後の歴史を替え歌で。このマグナ・カルタが後世に与えた影響については過大評価だとする声も一部にあるが、まぁ、そういった論争を巻き起こすだけの歴史的文書なんでしょう。




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 この替え歌の元ネタは言うまでもなくこちら。ホントに懐かしいスコットランド出身の双子CharlieとCraigのReid兄弟によるバンドThe Proclaimersの1988年のヒット曲I'm Gonna Be (500 Miles)。



 いや~、懐かしい。つい勢いでLetter from Americaまで視聴してしまった。80年代の洋楽を聴かない人だとこういった曲を聴く機会というのはもう中々ないんだろうか。これだけ味のある歌、バンドはさすがにイギリスでももうあまり出て来ないだろう。出て来てもどうせ世界的なヒットにはならないだろうし。すっかり歳食ったオヤジ丸出しの感があるが、やはり(私が聴いていた)80年代の洋楽は良かったですな。


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 この一話に限ってはジョン王とマグナ・カルタについての特別篇だったが、一般にHorrible Historiesシリーズは軽いノリで楽しくイギリスの歴史を勉強したい方にお薦めの作品。初学者はもちろんのこと、むしろイギリス史を復習したい人や知られざるエピソードに興味のある人向きの番組かも。イギリスのスケッチ・コメディファンにもお薦め。ただ、一部汚い映像もあるので、お上品な方々には必ずしもお薦めしないし、特に食事中の視聴にはご注意願いたい。


出演:
Ben Miller (King John)
Simon Farnaby (Death)
Louise Ford (Various)
Jalaal Hartley (Various)
Jim Howick (Mr. H)
Dan Li (Various)
Naz Osmanoglu (Various)
Jessica Ransom (Various)
Adam Riches (Various)
Tom Stourton (Various)



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読んだ本、視聴したテレビ番組・ラジオ番組・音楽の感想など。やや英語の作品や洋楽、特にイギリスのコメディやミステリ作品に偏向。

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